フルマラソンでサブ3.5を達成すること。これはマラソン初心者から中級者の一つ目標になります。サブ3.5はサブ4達成と比べると難易度は格段に上がります。従ってなかなか達成できないランナーも多くいると思います。
私自信、マラソンでサブ3.5を目指し、何年も達成することができない時期が続きました。でも色々試行錯誤した結果、月間走行距離150㎞程度でサブ3.5を達成することができました。この記事では私の体験談を踏まえ、サブ3.5を達成するためには何をするべきかを解説します。
結論として1番大事なことは練習の中にスピード練習を取り入れ心肺機能の強化することです。ジョグで距離を踏むだけではサブ3.5を達成することは、かなり難しいと実感しています。
サブ3.5とは
サブ3.5とはフルマラソンを3時間半以内に完走することです。ペースとしては1㎞を4分58秒のペースを維持しなければいけません。サブ4が1㎞を5分40秒ペースなのでかなり速いペースであることがわかります。そしてサブ3.5を達成しているのは全市民ランナーの中でも男性は12.2%、女性で3.2%しかいません。達成に必要な月間走行距離は200km前後が必要だと言われることが多いです。
私の戦歴
私の初マラソンは20歳の時。ほとんど練習せず、リタイヤしました。その後学生時代に2度フルマラソンを完走しました。
☞【初マラソンはリタイヤ】マラソン初心者の失敗談を公開!20年前を振り返り原因を考察
そのあと就職した長崎県にはフルマラソンの大会がなく、マラニックやハーフマラソンに参加していました。しばらく経ち、職場の同僚が立て続けにフルマラソンに参加しサブ3.5を達成し、私も再びフルマラソンに挑戦するようになりました。以下は私のフルマラソンの戦歴になります。
日程 | 大会 | 記録 | 月間走行距離 | 備考 |
2000.3.5 | 丹波篠山ABCマラソン | DNF | 100km未満 | 初マラソン! 前半飛ばしすぎリタイヤ😭 |
2001.11.4 | あいの土山マラソン | 4.48.38 | 100km未満 | |
2003.11.2 | あいの土山マラソン | 4.39.04 | 100km未満 | |
2013.11.3 | 下関海峡マラソン | 3.39.56 | 120km | 久しぶりのマラソンでサブ4達成🙌 |
2014.11.16 | 天草マラソン | 3.45.47 | 120km | |
2015.11.1 | 下関海峡マラソン | 3.41.9 | 120km | |
2016.4.3 | さが桜マラソン | 3.36.8 | 120km | |
2016.11.6 | 下関海峡マラソン | 4.08.0 | 120km | |
2017.2.19 | 熊本城マラソン | 3.31.0 | 150km | ※スピード練習を取り入れ記録が伸びる |
2018.3.18 | さが桜マラソン | 3.19.22 | 150km | 初サブ3.5達成! |
2019.2.3 | 別府大分毎日マラソン | 3.9.59 | 150km | |
2020.2.2 | 別府大分毎日マラソン | 3.20.46 | 130km | |
2022.11.6 | 下関海峡マラソン | 3.06.14 | 180㎞ | 久々のマラソンで記録更新! |
サブ3.5達成時の練習方法
一番大事なこと
ずばり大事なことはスピード練習を取り入れることです。
マラソンの練習は「脚」と「心肺機能」両方の強化が必要になります。脚の強化は長い距離を走ることで達成できます。しかしこれだけではサブ3.5は達成できません。
サブ3.5では平均で4分58秒のペースが必要となります。実際後半ではスピードが落ちてくるため、少なくとも練習ではこれよりも早いペースを経験しておく必要があります。
私は基本的にスピード練習を週1回行い、あとはジョギングのみという練習スタイルです。
スピード練習で「心肺機能」を強化すること!
これがサブ3.5達成のために一番大事なことだと実感しています!!!
転機となったスピード練習
私の2013年~2016年の練習メニューはスピード練習は行っておらず、ジョギングだけでした。月間走行距離は100~120㎞程度。それでもサブ4(4時間以内)は割とスムーズに達成できました。しかし、そこから数年の間、3時間半の壁を超えることができない期間が続きます。
悩みながら本を読んだ知識でペース走やインターバル走を取り入れたところ、記録が伸び始めました。
2017年の熊本城マラソンでは3時間31分で僅かにサブ3.5を逃しましたが、このレースでスピード練習の大切さを実感しました。この後、レース3か月前から週に1回ポイント練習としてインターバル走やペース走を取り入れました。そして翌年2018年に3時間19分と自己ベストを12分更新しゴール。
ついに別府大分毎日マラソンへの出場権を手にします。その翌年の別府大分毎日マラソンで現在の自己ベストである3時間9分59秒を達成しました。
サブ3.5達成には月間走行距離が200km前後必要だと言われることが多いですが、この時の月間走行距離は150㎞ぐらいでした。
心肺機能を強化することで月間走行距離が少なくてもサブ3.5は達成できました。
具体的なスピード練習
私は基本的にスピード練習を週1回行い、あとはジョギングのみという練習スタイルです。スピード系の練習はいくつか種類がありますが、ここでは当時私自身が主に行っていた練習の種類を紹介します。
インターバルトレーニング
200~400mのショート、1~2kmロングなど疾走距離や繰り返しの回数によって方法は様々です。レースペースを目安に3~5回や10~15回を繰り返します。個人の能力に応じてペース設定を変更します。心肺機能の向上によりスピードと持久力を養い、速いペースへの適応力を高めます。
私はよく「インターミッテントトレーニング」と「トレッドミルでの4×4(フォーバイフォー)」または「1000mインタ-バル×5本」を行っていました。
☞【永久保存版】トレッドミルでのインターバルトレーニング(4×4:フォーバイフォーの紹介)
ペース走
距離に応じてペースを設定し、レースに必要なペース感覚を養います。8~10km、12~16kmをレースペース前後で行います。ペース感覚を養いながらスタミナ向上を目指した実践練習です。
私の場合はサブ3.5のペース4分58秒よりも少し速い設定で4分45~50秒ぐらいで行っていました。
ビルドアップ走
ペースをコントロールして次第にペースアップしながら走り通す練習です。ペース走と同じ距離設定で行いますが、終盤はレースペースと同じかそれ以上にペースを上げてレース終盤のペース感覚を養います。
私の場合は5分30秒から開始し2~3キロごとに15秒ずつペースを上げて、最終的に4分30秒ペースぐらいでフィニッシュしていました。
その他の練習
LSD(Long Slow Distance)
ゆっくりしたペースで長く走り続ける練習です。脚を作るためには「距離を踏む」ことが重要です。会話ができる程度のスピードで120~180分(初心者はは90分)、距離にして20~30分を目安に行います。体内に十分な酸素を取り込み毛細血管を発達させる有酸素運動です。
筋力トレーニング
筋力を高めることは、ランニングフォームの安定や走力アップ、故障の予防につながります。特に30km以降の終盤でのペースダウンを防ぐためには筋力アップは重要です。実際、筋力トレーニングを始めてから30m以降で歩くことはなくなりました。
私の場合は腕立て伏せ(15回)、片足スクワット(左右10回ずつ)、プランク(1分)、ランジ(左右10回ずつ)の4種類をサーキット形式で3セット行っていました。これだと10分ちょっとで終わるので時間的にも負担が少ないです。頻度は週に2回~3回を目安に行っていました。
レースのペース配分
ここでレース当日のペース配分について触れておきます。ペース配分はかなり重要です。同じ走力でもペース配分でタイムはずいぶん変わってきます。
ペース配分には先行型、後半型、平均ペース型の3種類があります。市民ランナーの多くは先行型が多く、30㎞以降でペースダウンすることが多いです。最もマラソンに適した走り方は後半型だと言われています。
ただし私自身の経験から考えるとサブ3.5前後の実力だと後半型の走りはかなり難しいと感じています。
私の感覚だとサブ3.5を達成できるランナーが歩いたり、大きなペースダウンせずに完走できるギリギリのレベルだと思っています。余力がないわけですので、サブ3.5ギリギリのランナーに後半型は無理です。平均ペース型を目指しつつ、後半のペースダウンを最小限に抑えるぐらいの走り方が現実的です。私は先行型はお勧めしません。前半に突っ込みすぎると途中で脚がなくなり後半で大幅なペースダウンとなります。
そのために大事なことは10~20kmで経験するランナーズハイでペースを上げすぎないことです!「まだまだ余裕がありペースを上げれるけど、我慢してここは抑えよう」という調整ができてくると42kmを戦略的にコントロールして走れるようになってきます。
食事について
食事について、普段から気を使ってることは糖質を取り過ぎないことです。それ以外は割と自由に飲み食いしています。ここではレース1週間前から気をつけていることを主にに紹介します。
糖質制限
ダイエットでも糖質制限は有名ですね。私は普段から体重が増えすぎないように糖質制限をしています。一時期は過度な糖質制限もしていましたが、いろんな書籍、特にランニングに関しての物はバランスのいい食事を推奨している本が多いです。なので基本的には何でも食べますが、気を付けていることをいくつか挙げます。
- 缶コーヒー、ジュースは飲まない
- 晩御飯はご飯を食べない(肉・野菜中心)
- 練習後は多めに食べる
カーボローディング
カーボローディングとはエネルギー源であるグリコーゲンを体内に多く貯蔵するため、レース前に糖質の多い食事をとることでエネルギーを蓄える方法です。「カーボ」とは炭水化物(Carbohydrate:カーボハイドレート)のことでカーボローディングとは炭水化物を積み込むということです。
細かいやり方は諸説ありますが、私はレース1週間前から糖質(主食のご飯、パン、麺類)の摂取を通常の半分ほどに減らします。そしてレース2日前から糖質の摂取を増やしていきます。
私は普段から糖質制限をしていますが、糖質制限をしていない方は急に糖質を減らすと体調を崩すことがあるようなので注意してください。普段糖質制限をしていない人は糖質を減らす時期を作らず、レースの3~4日前から糖質多めに摂取するといいです。
ウォーターローディング
レース前日から当日にかけては脱水、トイレ対策として経口補水液を飲むようにしています。普通の水は体液が薄まるため水分が尿となり排泄されトイレが近くなると言われています。私自身トイレが近くてレース中に何度もトイレに行くためかなりタイムロスをしていました。この方法で今はレース中1~2回で済むようになりました。
飲酒について
お酒は好きですので、ほぼ毎日飲みます。レースがない時期はビールがメインです。レース3か月前ぐらいからは糖質含有量の少ないハイボールに切り替えます。糖質の少ない赤ワインも飲むことが多いです。お酒を断つともっと速く走れるかもしれませんが、私は難しかったです。レースの2日前から我慢するようにしています。同じようにカフェインについても前日から断つようしています(こちらはレース当日のトイレ対策としてです)。
参考にした書籍
ここで当時私がトレーニングの参考にした書籍を2つ紹介します。
40代から最短で速くなるマラソン上達法
48歳からマラソンを始め、わずか1年半でサブ3を達成した本間俊之さんの本です。この本ではアラフィフならではの身体のメンテナンスに着目した練習方法が記載してあります。特に私のポイント練習の軸になっている「インターミッテントトレーニング」の紹介やポイント練習は週1回で残りは疲労抜きジョグと言った故障しないための工夫数多く紹介してあります。
私のサブ3.5達成に大きく貢献した書籍の一つです。
マラソンの強化書
マラソン指導の第一人者の小出義雄さんの書籍です。初球〜中級ランナーに向けての練習方法を解説されています。特に私が影響されたのが、マラソンは距離を踏むだけでは速くなれない。心肺機能を鍛えることがサブ3.5を達成するために必要だということを教えてもらった本です。
その他にマラソンの当日のレース運びや練習方法など実践的なことが沢山書かれてあり、初心者から中級者においてはかなり参考になる本となっています。
まとめ
この記事では私がサブ3.5を達成したときの具体的練習内容、レースでのペース配分、食事について解説しました。中でも1番重要なことは練習の中にスピード練習を取り入れることです。サブ3.5達成できない方で距離は走っているけど、スピード練習を取り入れていない方がいたらぜひ参考にしてください。きっといい結果がでると思います。
コメント