7月25日に初めて富士登山競走(5合目コース)に参加しました。登りっぱなしの過酷なレース。日本中から強者達が集まってきます。自分に完走できるか不安でしたが、無事5合目コースを完走し、山頂コースへの挑戦権を獲得できました。
今回、長﨑からの参加で前後2泊しましたが、飛行機に乗って大会に参加するのは初めてでした。大会の様子に加え移動や宿泊についてもまとめていきたいと思います。
富士登山競走とは
富士登山競走とは毎年7月に開催される、富士吉田市役所から富士山を駆け上がるレースです。5合目コース、山頂コースの2種類があります。山頂コースは標高差約3,000mを一気に駆け上がり、全長21㎞のコースになります。山頂コースの参加には5合目コースを2時間20分以内に完走した実績が必要になるので、私を含め初参加の選手は5合目コースへの挑戦となります。5合目コースは標高差が1,500m、全長15㎞となっており、こちらも結構タフなコース設定になっています。
本大会は昭和23年に第1回が開催され、途中コロナ禍の影響で中止の期間もありましたが、本大会が78回と歴史のある大会です。
レースレポート
会場到着~スタートまで
当日の7:30頃に会場入りして、しばらく周囲を散策。8:10からの開会式に向け、自分のスタート位置へ移動。私は「I」ブロックです。8時頃にスタート地点へ到着。気温は既に30℃ほどです。並んでいるだけで背中がジリジリと焼かれます。たまらず、近くの建物の陰に身を隠します。そのまま開会式を日陰から聞いていました。8:20ごろ、流石に整列する選手が増えてきたので、私もいい位置をキープするために並びます。いよいよ8:30スタートです。

ユーチューブで大会の様子を見ていると富士山の歌が放送で流れていましたが、5合目コースでは流れませんでした。どうも山頂コースだけのようです💧
目標は馬返し(11㎞)を1時間10分で通過し、5合目ゴールを2時間20分を切ること。この2時間20分切りが来年以降の山頂コース参加条件となります。馬返しまでで11㎞なので、ざっくり1㎞6分平均で1時間6分、後半ペースが落ちたとして4分ほどの猶予を考え、1時間10分が最低条件かなと思っています。
スタート~馬返し
いよいよ号砲がなりました!スタート地点は選手で混雑して、自分のペースでは走れません。流れに逆らわないように、そしてジグザグ走行しないように進んでいきます。最初の1㎞のラップは5.57。既に目標タイムギリギリ。でも1㎞過ぎたあたりから混雑が少しずつ解消され自分のペースで走れるようになってきます。しかし、ペースは思ったほど上がりません。やはり登り坂はきつい、そして暑い。何とか5.30ぐらいのペースをキープします。

まだまだ序盤ですが、沿道に「ゴールは見えてるぞー!」って応援しているおじさんがいました。確かに見えている!?毎年言ってんのかな。。。
3㎞過ぎたあたりから日陰になります。直射日光を防げて、精神的にも楽になります。そしてまもなく3.8㎞地点の給水になります。暑いとは思っていたけど、やはりかなりの汗をかきます。給水ポイントが絶妙でした!
この地点から、まだしばらく舗装路で走りやすいです。何とか1㎞6分ペースを死守したいところです。しかし、5㎞以降また少しずつ斜度が上がります。ついに6㎞地点でラップ6.08と目標タイムをオーバーしてしまいます。前半5㎞までの貯金があるので「大きくペースを崩さなければ大丈夫」と自分を鼓舞して進みます。そして、2回目の7.8㎞地点で給水。中野茶屋です。この辺りから少し路面が荒れて、足元が悪くなります。それによりペースもさらにダウン。
富士登山競走はずっと登りのコースなので、心を折られそうになります。でも冷静にコースを見てみると斜度が緩やかになっているところも所々あります。登り続きでの疲労や、酸素不足で冷静な判断ができず、気づいたら惰性で走っている場面が何度かありました。しっかり、斜度が緩やかなところを見極めて、気合いを入れて踏み込んで見るとペースが上がったりします。
練習では平均斜度10%ぐらいのの坂を往復していたので、緩やかな登りならペースを落とさず耐えられます。このように何とか気持ちを切らさず登り続けて行きましたが、10㎞過ぎるとまた斜度がありがり、ペースが一気に落ちました。周りの選手もつらそうです。歩いている選手も出てきました。
何とか馬返しまでは歩かず着きたいと思っている矢先、道路に駐車している車が多くなってきたことに気づきます。直感的に給水があるのかと感じました。どんぴしゃ!ここが馬返し(11.1㎞)です。タイムは手元の時計で1時間10分ちょうどでした。

「目標タイムに近い」。もしかすると山頂参加条件である2時間20分に届くかもしれない!!
馬返し~5合目ゴール
給水で頭に水を被り、まずは階段。平地が少しありまた階段。
ここを抜けると狭い登山道に入ります。横に並べば何とか抜けるスペースもありますが、選手で混雑しそれも難しくなる。無理して抜いても、自分のペースが遅ければ他の選手の邪魔になる。所々に雪解け水を受ける石の塊が道の中央にあります。

この石の上は選手は走らないので、選手は両端に別れます。ここが前に出るチャンス。出れそうなところは前に出ます。それ以外はほぼ歩くしかない程の渋滞です。決して足を止めず前に出るチャンスを伺います。
コース上に時々、登山者がいました。止まって道を譲ってくれます。ありがたい。12㎞(13.31)、13㎞(14.40)とラップが落ちてきました。大体1㎞15分弱のペースになってきました。5合目コースが15㎞なので残り2㎞ならギリギリいけるかも。
でも斜度がもっと上がれば。。。
もし、15㎞に+αの距離があれば。。。
頭の中で悪いイメージが沸いてきます。スタート前は2時間20分に届かなければ、来年も5合目を走ればいいと思っていたけど、ここまで来たら来年は山頂コースを走りたい!!!何より、1年延長はやはりキツい。何としてでも今が踏ん張りどころ!階段であっても、悪路であっても、前に出るスペースを見つけて少しでもペースを上げる機会を増やします。
例え数秒ずつでも。。。

14㎞地点を過ぎたとき、沿道から「あと1㎞!」と声援が聞こえました。14㎞のラップは16.12とついに15分を超えました。時計は1時間53分を過ぎている。残り25分以上ある!1㎞なら十分間に合う。+αがあってもいけると、ここである程度目標がクリアできることを確信しました。
あとは他選手との接触や転倒に気をつけて粛々とゴールを目指すだけ。
ゴールが近くなり、一旦車道へ出ます。ユーチューブで見た景色、あと少しだ。
鈴の音や声援が大きくなります。
ゴールが近い!再びトレイルコースへ、周りの選手達も心なしかペースが上がっているように感じます。
服も手もビショビショ、手足は泥で汚れています。
時計は2時間10分ほど、ようやくゴールなのか、人だかりが見えてきました。
最後の坂道を登り切ると少し10mほど平坦な道の先に青い計測マット幾つも見えます。きつかったこのコース、笑顔でゴールできました!

ゴールに興奮して時計を止めるのを忘れていて、手元の時計2時間13分54秒。でも見事に目標達成でのゴールです。
結果
結果は以下の通りです。表はガーミンの計測なので、実際のタイムとは1分ほどズレています。
馬返し:1時間10分30秒
Finish :2時間12分55秒
2時間20分を切りましたので、山頂コースへの出場権ゲットです😄
距離 | ラップ | タイム |
1㎞ | 5.57 | |
2㎞ | 5.31 | |
3㎞ | 5.19 | |
4㎞ | 5.30 | |
5㎞ | 5.35 | |
6㎞ | 6.08 | |
7㎞ | 6.31 | |
8㎞ | 6.53 | |
9㎞ | 7.20 | |
10㎞ | 8.13 | |
11㎞ | 10.45 | 馬返し(1時間10分30秒) |
12㎞ | 13.31 | |
13㎞ | 14.40 | |
14㎞ | 16.12 | |
15㎞ | 13.15 | |
Finish | 2時間12分55秒 |
旅行日程
レースは無事、目標を達成することができました。最後に今大会の行程やかかった金額を紹介したいと思います。地方参加の方々の参考になればと思います。
私は長﨑県から2泊3日の行程で参加しました。前日の移動や宿泊は大会HPで紹介されているFujikyu Trabelからツアーが予約できたので、こちらを利用しました。ツアー内容は「新宿から宿泊地までのバス、前日宿泊、当日会場までのバス、当日大会後の新宿までのバス」で宿泊するホテルで金額が多少変わりますが、私が予約したの内容は31,000円の金額でした(金額詳細は後にも示します)。
7/24(前泊)の行程
飛行機:長﨑空港(9:50)→羽田空港(11:40)
リムジンバス(随時:12:00円):羽田空港→新宿駅
ツアーバス:新宿駅西口(16:00)→東横INN富士河口湖大橋(18:00)
16時の新宿発のツアーバスに乗り遅れないように早めの飛行機で羽田に向かいました。トラブルや道に迷うことなく移動できたので、逆に時間を持て余しました。もっと遅い便でもよかったです。また新宿駅から河口湖のホテルまでは2時間の予定でしたが、実際は1時間半で到着しました。道路状況よるのかなと思いました。おかげで周囲の散策をする時間を十分とれました。
7/25(当日)の行程
ツアーバス:東横INN富士河口湖大橋(7:10)→大会会場(7:30)
8:10:開会式
8:30:5合目スタート
ツアーバス:大会会場(随時:15:30最終)→新宿駅西口(17:30)
新宿で宿泊。翌日帰崎
8:30スタートで、ホテルを7:10に出発。会場までは20分程で到着します。到着後も時間は十分あり、会場周辺を見て回ることができました。ゴール後は5合目のゴールの少し先で荷物を受け取り、少し歩いてシャトルバスで富士北麓公園へ。この敷地ないにある富士山の銘水スタジアムで表彰式、閉会式があります。飲食や物販ブースも多数出店があり、お祭りムードでした。私もここで着替えたり、表彰式を見たりして、ツアー最終の15:30のシャトルバスで新宿へ戻りました。当日に長﨑に帰ることもできましたが、せっかくなのでもう1泊して翌日帰りました。
大会にかかった費用
今回の大会にかかった費用は以下の通りです。
大体ですが、旅費交通費80,000円、食料費16,000円、その他32,000円でした。1泊2日でも可能ですが、スケジュールがかなりタイトになるので、2泊3日がいいなと感じました。地方からの参加はお金と時間がかかるのは致し方ないですね。
科目 | 合計 | 支出詳細 | 金額 | 日付 |
旅費交通費 | 81,355 | 長﨑バイパス・高速代 | 820 | 7/24 |
空港リムジンバス | 1,400 | 7/24 | ||
富士トラベル | 31,000 | 7/24 | ||
飛行機代往復 | 35,900 | 7/24 | ||
宿泊(新宿) | 7,380 | 7/25 | ||
タクシー | 1,600 | 7/26 | ||
JR代 | 535 | 7/26 | ||
空港駐車場(長﨑) | 2,400 | 7/26 | ||
長﨑バイパス代 | 320 | 7/26 | ||
食料費 | 16,574 | 昼食代 | 1,914 | 7/24 |
夕食代 | 2,530 | 7/24 | ||
コンビニ | 1,833 | 7/24 | ||
昼食代 | 2,000 | 7/25 | ||
夕食代 | 5,790 | 7/25 | ||
コンビニ | 1,147 | 7/25 | ||
昼食代 | 850 | 7/26 | ||
ジュース(3本) | 510 | 7/26 | ||
その他 | 32,667 | 大会参加費 | 14,000 | |
お土産 | 10,167 | |||
USBポート | 1,700 | |||
コインロッカー | 600 | |||
ルミネtheよしもと | 6,200 | |||
合計 | 130,596 |
最後に。。
登っているときは本当にきつくて、5合目のゴール直後は山頂コース挑戦に正直迷っていました。
しかし、シャトルバスへ向かう道中で5合目より上の景色を見ていて「まだまだ上だな」としみじみ思いました。帰りの5合目発のシャトルバスに山頂コースの選手も乗ってきます。何だかオーラが違います。(かっこいい)。あんなに過酷なコースが目の前にあるのに、5合目までしか行っていない自分は「富士山走ってきた」と胸を張って言えるのか!?
今回は確かに頑張りましたが、やっぱり山頂の景色をみたい。
さらに強い刺激を求めて来年山頂コースに挑戦することをシャトルバスの中で心に誓いました。

5合目からの景色です。曇っていましたが、眺めは写真よりずっとよかったです。5合目は気温20℃を以下だったと思いますが、全身びしょ濡れ、風も強いのでジッとしていると寒くなってきました。
5合目でいただいた山菜そばがとても美味しかったです。
山頂は10℃を下回るようですが、完走後のカップラーメンとコーラが絶品みたいです。是非来年堪能したいと思います。
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